この日本語、この日本。
「あかさたなはま・・・」の順序の意味と「古代のラ行」 - Shuichiro
2013/05/03 (Fri) 00:02:49
201.141.212.102
五十音図はサンスクリット語の整理の仕方に影響を受けてできたらしいが、「あかさたなはまやらわん」の順序もそれなりに理由があるのだろう。こう考えて「あかさた・・・」と自分で発音してみると、なるほど、昔の人のやったことは古い、と言って馬鹿にしてはいけないことが分かる。
「あ」の音声は喉の一番奥のほうから発声されて、その次の「か」は少し前のほうで発声されて、「さ」は更にその前で、という具合に喉の奥から順に口先・鼻先へと発声される場所の移動が整理されているではないか!(と私には感じられた。)
そうすると、「は」が「ふぁ」から来ていることの痕跡がこの順番に見えてくる。「な」と「ま」の間に両唇を使って発声する「ふぁ」が来るのは道理にかなっている。
さらに興味深いのは「ら」の位置である。「ら」は「や」と「わ」の間に置かれている。「や(ya:発音記号ja)」「わ(wa)」は半母音である。日本語の「ら」行も半母音として扱われた可能性がある。これは又「和語はラ行が語頭に来ない」ことと何らかの関係があるのかもしれない。
スペイン語に「LL」という文字がある。これで一文字として独立している。スペイン語の辞書を持っている人は「L」の項が終わってから「LL」の項が始まることを確かめることができる。この「LL」は日本のスペイン語入門書などでは「リャ・リュ・リョ」と発音するかのように説明されていることがあるが、実際は語・人によって(英語の音)「y」と「j」の間を揺れ動く音である。「lluvia(雨)」は「ジュビア」と「ユビア」の間のどこに置いても正しい発音なのである。
さて、ここからは私の推測である。
古代日本語の「ら」行はスペイン語における「LL」のような音だったのではないだろうか。語や人によって印象が変わる、こんな曖昧な音を語頭に持ってくるのを古代の日本語母語者は避けたのではないだろうか。
日本語の「あかさたなまやらわん」の順序、あるいは「ラ行」の音について、上記のような研究がされているのかどうか分かりませんが、何か関係のある情報があれば、お知らせ下さい。